財産である「人」の力で
問題を確実に解決する。
アイウエオ
カキクケコ

●施工物件名称

guntû内装工事(S1600)

●用途

客室(ホテル企画)

●所在地

広島県尾道市

●竣工年

2017年

世界でも珍しい木仕上げの客船。

guntû(ガンツウ)は、「せとうちの海に浮かぶ、ちいさな宿」をコンセプトに作られた、新しいラグジュアリー船です。尾道市にあるベラビスタマリーナを発着地とし、瀬戸内海沿岸を周遊。
建築家の堀部安嗣氏が設計を担っており、穏やかな瀬戸内の風土に合う、清々しい客室と空間を擁した客船です。大和建設株式会社が造船部以外の施工全般を担当しました。

水平垂直が出ない!造船と建築の考えの違い。

一般の建築物と違い、造船所によって建造された船内での内装工事のため、一般建築物の施工方法が出来ないため、細かな納め方には苦労しました。建造における考え方と、建築側の考え方が異なるため、その事によって生じる微妙な差が工事を進めていくうちに次々と表面化・複雑化し、現場の寸法や納め方にも差が出た為、「顧客の要求を満たした上で、どう違和感なく美しく仕上げるか?」、と言う点については大変苦労しました。膨大な量の問題を確実に解決していくために、設計者・造船所・施工者がじっくりと協議することで、ベストな解決策が生まれ、ひとつひとつの問題を解決していくことができました。

客船の木仕上げにこだわる。

世界でもあまり聞いたことがない客船の木仕上げ。大量の木材を使用し船内を仕上げていくので木材の見せ方、納まり方にこだわりました。もともと設計事務所様は、木材の使い方がうまい事務所ではあるのですが、それは一般建築でのことで船となると図面では、納まっていることが納まらないことが多く(水平、垂直が出せないため)設計事務所と協議を重ね、いかにきれいに見せるかを大変こだわりました。

大切な財産である「人」の力による、唯一無二の技術。

当社は、大きな会社ではありませんが、「人」が最も大切な財産と考えています。全ての人がそうであるように、当社も一人ひとりには長所もあれば短所もあります。現場担当者それぞれの長所を・短所を見極め、役割分担を明確にすることでそれぞれに責任が生まれ、大きな仕事も達成できると考えています。
当現場においては、複雑で短工期の現場を完成させるために、次のように責任分担を明確化しました。現場全体を統括・管理する現場所長、現場で直接指示を出し現場を仕切る工事担当者、施工を熟知し施工図作成を専門とする施工図担当、造船所内での厳しい安全管理において必要となる多くの書類を作成・管理する書類担当、さらに本社からの協力なバックアップもあり、役割・責任を明確にしてそれを達成し協力・共有化してゆくことで、一人ひとりの力がうまく合わさり、大きな力となって現場のスムーズな運営・工期内での完成につながったと考えています。その上においては、一人ひとりの円滑なコミュニケーション・協力体制は欠かせませんでした。
どんな難題でも協力して立ち向かうことで大きな力が生まれ、解決へと導いてくれる。それは当社にとって大切な財産である「人」の力による、唯一無二の技術だと考えています。